パワーコードが好きだ。たった二本、三本の指だけで奏でる荒々しいあの麗しい騒音が好きだ。なりふり構わずガガガガッとマシンガンから銃弾をばらまくがごとく、音を乱射するのは愉悦である。
しかし、人が気持ちよくパワーコードを奏でているのに、正しくないパワーコードだと指摘をする奴がいる。正しい指で押さえろだの、ミュートも入れろだの、と。
何を言ってやがる。パワーコードは音が正しかろうが間違っていようが、その荒々しさが良いのではないか。へこへこ頭を下げて、あぁそうでしたね、ではこんな感じで、とにこやかに丁寧に弾くものではないのだ。知るかそんなもの、良いから聴け、という気概があってこそパワーコードではないのか。丁寧さを気にするのはパワーコードではないコードストロークとかの時だけにしておいてほしい。
なんてことを、パワーコードを弾くときには思ったりするのだ。
