りーにえんしーの闇鍋ブログ

書いている本人もよくわかっていないブログです。

気になるあの子

※この記事は以前noteに投稿していたものをコピペ&一部改変したものです。書いてからだいぶ時間が経っており、別サイトに先に載せていますが、自分の記事だしこっちに投稿してもいいか、と思い、こちらにも載せました。noteに投稿した別の記事も、いずれこちらに載せるかもしれません。

前に投稿した小、中学生時代の話を書いていて思い出した、同級生の女の子とのちょっとした思い出のお話を書きます。

その子(仮称として、Nさんとします)は小、中ともに同じ学校で、第一印象はおとなしい感じの子だなー、っていうくらいで特に気にも留めず、話も殆どしないでその子との小学生時代は過ごしていました。

まあ、保育園~小学校の時期に太った反動でいじられ始め、そこからコミュ障に拍車がかかり、自分から話が出来ないようになっていたこともありましたが。

そんなNさんとの(個人的ですが)進展があったのは、中学生時代からです。

僕とNさんは同じ部活に所属していました。初めの頃は小学生の頃と同じで、お互い特に話すこともなく部活をやっていました。そのような感じで二年次後半、次の部長を決めようという話になり、Nさんが部長に選ばれたのですが、彼女も人と話すのはあまり得意な方ではなく、人をまとめるということに慣れていないからか毎日部活中はプレッシャーを感じながら務めているようでした。一方、その頃の僕と彼女との関係の変化として、彼女から自分に話しかけられることが多くなり、前よりもはるかに会話を多く交わすようになっていました(Nさん曰く、部活の部員で小学校からずっと一緒にいたのが僕だけで、何か話をする時に話しやすかったのは僕だけだったらしいです。)。その際、彼女の一面を知ることが出来たりして、可愛らしいところを知ることが出来たのが少し嬉しかったです。それと同時に、少しずつ彼女のことを好きになるようになりました。

三年生になったある日、部活の合宿でホテルに二泊三日くらい滞在することになりました。初日の練習後に夕食を食べにホテルのレストランに向かったところ、結構な量の料理が出ました。僕とNさんは隣どうしになるように座りながら夕食を食べていました。僕は余裕で食べ終えたのですが、Nさんは小食なのか、あまり料理に手を付けずに残して、食べ終えているようでした。しかし、Nさんはそのことにばつが悪いように感じたのかもう一度料理に手を付けましたが、少し食べたくらいでまた手を止めてしまいました。僕はそれを見ながらも、他の部員と話をしたりして時間を過ごしていました。

その時、隣の席のNさんが

「○○、○○」

と僕の名前を呼ぶのを聞き、僕はNさんの方を向きました(Nさんは話し始めた頃から僕を「○○」という風に、フランクな感じで名前を呼んでいました。さっき書いた通り、僕だけが小学校からずっと一緒にいたこともあるのでしょうが)。「何?」と聞いたらNさんが残してしまった料理を僕に食べて欲しい、ということを話してきたのでした。僕は「ああ、いいよ」とNさんの残りの料理を平らげました。Nさんは「ありがとう」と言って、微笑を浮かべていました。僕はまた、その微笑に心を奪われていたのでした。今までずっとクールで無口だと思っていたNさんの笑う顔をあまり見たことが無かったのもあるのでしょうが。

またある日、部活の大会で県外にバスで移動中のことでした。バスの座席の配置として、僕はNさんの近くに座っていました。他の部員たちがおしゃべりをしている中、僕はボーッと車窓から風景を見て目的地までの時間を潰していました。その時、肩に何やら感触を感じ、何だろうと感触の方向を向いたところ

「ねぇ、○○」

 

と、Nさんが僕の方を向いて喋りかけていたのでした。当然、感触の主人はNさんでしたが、触ってくる行為自体、僕には驚きでした。立て続けに起こる衝撃に内心戸惑いながらも平静を装い、「何?」と返したところ

「○○は、ボカロとかに興味はあるの?」

 

と、キラキラした目で質問してきました。実は、その時にNさんと話をして分かったのですが、Nさんはボカロ曲をよく聴いていた人だったのでした。当時の僕もボカロ曲は好きでしたがそんなことは当然梅雨知らずで、Nさんの近くで何気なく歌っていたこともよくありました。その時に歌っていた内の何曲かはNさんが好きな曲だったらしく、僕もボカロに興味があるのかな、と思い聞いてみたそうです。

Nさんからこの曲は知ってるか、あの曲はどう思う、などと結構深掘りな質問が投げかけられて、また内心戸惑いながらも僕は質問への答えを返していました。それを皮切りに、Nさんと僕とで会話が始まりました。最初こそ驚いていたものの、小中と一緒だったこともあり割とすぐに話は弾み、2人で盛り上がってました。その後、話は別の話題に移りNさんから大学の進学のことについて聞かれました。まだ高校にも受かってないのに。

「○○はどこに行くつもりなの?私は東京かな。」

それはまた、どうして?と聞いたところ

「だって東京なら有名人がいるでしょ?私、有名人からサインとか貰うのが夢なんだ。」

 

という返答。

 

可愛すぎかよ。

 

彼女は真剣に答えていたので、恐らく本気だったのでしょう。

今までクールだと思っていたNさん。そんな彼女の口から出てきた東京進出の理由が、有名人からサインを貰いたい、ということ。

ああ、してやられた。

 

と、僕は思いました。クールに見えていた彼女の、純粋な女の子の部分が垣間見えた瞬間。僕は、そのギャップに完全にしてやられたのでした。

そんなNさんとは高校は別になり、その後は連絡も特にせず、それぞれの道を歩み始めました。

Nさんは東京の大学に行ったのだろうか。東京で楽しく過ごせているのだろうか。東京で有名人のサインを手に入れられたのだろうか。それらは当然、謎のままです。

でも、またどこかで会えたら、その時にはまた彼女の新しい一面を見つけられたらな、などと思うのです。